腕と唇


俺はこの腕で
何千頭もの牛を殺してきた
俺を信じて
俺のこの腕を信じて
抱かれているお前は怖くないのか

お前はその口で
何千頭もの牛を食してきた
お前を欲し
お前のすべてを欲して
その唇を俺は怖れない

愛とは美しいものだと
人は言うけれど
その美しさが
食われる牛には何だというのか
posted by 仮名吹(かなぶき) at 19:33Comment(0)自作の詩