記念日


若い頃は
「お前はお前のままでいいんだよ」に
無責任なことを言うなと
笑顔の底でムカついていたのに

今日背中越しに言われた、
「君は君のままでいいんだよ」に
ムカつくのも忘れ
恋愛年齢に背中を巻き戻された気がして

あなたにとっては何気ない一言
いつもの無責任な
私にとっても
ハイハイ気のせいですよ

春のさなか
今日も一日何も無い日でした
令和元年5月1日
posted by 仮名吹(かなぶき) at 13:55Comment(0)自作の詩

2070


久しぶりにコンビニに行くと
店員はみなロボットに替わっていた
業務に無駄のない動き
そのなかで一人、
モタモタしてる店員がいた
出来損ないのロボットもいたもんだ
だがよく見ると彼は人間だった
あのー、人間の店員はあなただけ?
  はい、システムがダウンした時の
  バックアップ要員です
その時、合成音声が会話を切り裂いた
賞味期限切れの弁当が
棚に一個残ってますよ、店長!

近ごろはコンビニの客といっても
買い物代行会社のロボットばかりで
人間の客が来るのは珍しい
店長の私がロボット店員の目を盗んで
こっそり彼に尋ねた
あのー、どうして人間のお客様が…?
  実は買い物代行ロボットが
  一体故障しまして、それで
  こんな時間にたたき起こされて…
  私は代行会社の社長なんですよ
posted by 仮名吹(かなぶき) at 11:33Comment(0)自作の詩