いじめのないクラス


ある日のクラス会で委員のA君が議題を設定
しました
「いじめのない、団結したクラスを作ろう」

Bさんが発言しました「みんなが正しい心を
持てばいじめをなくせるはず」

C君が聞きました「正しい心って何?」

Dさんも問いかけました「みんなが正しい心
を持っていることをどうやって証明するの?」

E君が答えました「僕は正しい心を持ってい
ると証明できる。なぜなら僕は人をいじめる
X君のような人とは違うからだ」

Fさんも続きました「私もX君のようなこと
はしない。X君とは区別してほしい」

「僕も、私も、X君を真似たりしません」
クラスの一人一人が席順に挙手をして椅子か
ら立ち上がって発言し、自分の正しい心を宣
誓しました

そうやってクラスのみんなは正しい心のもと
に団結できました

そしてX君は独りになりました
posted by 仮名吹(かなぶき) at 10:51Comment(0)自作の詩

モテ子ちゃん


牛乳瓶の底かと言いたくなるほどの
分厚いレンズの眼鏡
彼女がそれをかけるのは
なにも近眼のせいだけではない

彼女がモテ子ちゃんと呼ばれるようになったのが
いつ頃からかは誰も知らない
大学の飲み会でたまたま傍に座っただけの
馬鹿な男たちから求愛されたことが相次いで
いつしか彼女は
モテ子ちゃんと陰口されるようになっていた
いつしか、男の視線が刺さらないように
分厚いレンズの眼鏡をかけて
顔を隠すようになっていた

そんな彼女にも
牛乳瓶の底を外すひと時がある
場末のカフェで
たった一人の彼以外、見えなくなる
たった一人の彼の前でだけ
モテ子ちゃんでも何でもない、
たった一人の彼女になる
posted by 仮名吹(かなぶき) at 10:00Comment(0)自作の詩