一部詩作品の削除と電子書籍の詩歌集発売予定のお知らせ

いつもお読みいただき、大変ありがとうございます。
さて仮名吹(川吹利夫)は近々、電子書籍の詩歌集「睡眠薬」(仮題)の発売を予定しております。
アマゾンさんからの出版で、収録されるのは詩が30篇、短歌が120首です。
このなかに従前は当ブログでお読みいただいていた5篇の詩も収録されます。
そのため、以下の詩作品を当ブログから削除し、今後は電子書籍にてお読みいただくことになりました。
詩歌集の発売は来月12月上旬の予定です。発売されましたら当ブログに商品(購入用)リンクを表示しますので、よろしくお願いいたします。

【削除した詩作品】
「ある夜の権力論」
「ジャガーを超えろ」
「仮想詩人」
「新宿の女子」
「半獣人」
以上5篇。

★電子書籍詩歌集「睡眠薬」(仮題)定価298円(税込)、アマゾンさんから来月12月上旬発売予定★

深夜の声


コーヒー飲む?
そうだね
と、軽く返事したものの、
何かおかしい

僕の仕事は舞台の脚本家
今日の朝から稽古だから
夜のうちに書き上げないとまずい
でも僕は行き詰っていた

たしかに
コーヒーでも飲みたい気分だった
でも誰が言ったんだろう
同居人はこの時間とうに寝ている
いつものように
ソファーに横たわり毛布を被って

わからないから
この星空のどこかから
僕を見守っている人の声
ということにして素直に従って
自分でコーヒーを淹れて飲んだ
そういえばここ数日
一杯も飲んでなかった

朝が来た
台本はなんとか出来上がった
同居人が起きてきて言った
あなた、夜の間じゅう一人で
「コーヒー飲む」「そうだね」
ばかり言ってたわよ
やっと飲むまで何度も何度も

一つ目宇宙人

叔母が東映さんで仕事をしていた頃、特撮もののゲストで「一つ目宇宙人」の役をもらった。
昔の東映さんは今よりずっと多く特撮もの・変身ものを撮っていた。
ご存じかとは思いますが、今も続く仮面ライダーも戦隊ものも東映さんの作品です。
さて、叔母は両目の上に肌色のテープを貼られてふさがれ、おでこに一つ目を描かれた。
その状態で監督さんから「こっからここまで歩いて」と指示されたのだが、両目が見えないですと叔母が言うと、
監督さんに「ここの目!おでこの目で見てください!」と言われたという。
この監督さんの演出家としてのカラーが出たのか、それとも
そもそも50年前のテレビ変身ものの現場はそういうものだったのかは、部外者の僕にはわからないのですが…。

学級裁判


オカマ、キモいから死ね

2学期から
男子から女子にかわったAさんが
12月に自殺しました
遺書もなく、担任の先生は学級会で
彼女に何があったのか、
生徒たちから話を聞くことにしました

成績優秀のB君が最初に証言しました
授業態度の悪い不良のC君たちが
Aさんの心を黒く塗り潰していた、と

性同一性障がいを理由に
心の上での殺人行為は許せないと
B君はC君を激烈に責めました

オカマ菌つくぞ、近寄るなよ

先生はC君に事実かと問い質しました
C君は事実だと認めた上で言いました
B君とガールフレンドのDさんが
「殺し」の現場を指差して笑っていた、と
直接間接にクラスの全員が
若さの崩壊現象を起こしていました

その時Aさんの遺書が
机の中から発見されました
「誰も悪くありません」と
先生の筆跡で書かれていました

そして
先生も生徒たちも
みんな教室からいなくなりました
どこへ行ったのかわかりません
Aさんの机の花一輪だけを残して。