緑色の髪の女子


春、彼女に初めて会ったとき
長い髪の彼女は茶髪にしていた
それが夏のある日、
鮮やかすぎるほどの緑色の髪で
彼女は僕の前に現れた
  髪、似合ってるけど…どうしたの?
  これはね、
  似合う似合わないの問題じゃないの

秋、髪はついに黄金色になり
彼女はその理由を話してくれた
  私の髪は染めてるんじゃなくて
  おじいちゃんの田んぼの色に合わせて
  ひとりでに変わるの
  原因は病院でも解からなかったけど
  私の髪の色は昔からこうなんだ

春、田起こしのときは土の茶色
夏、田植えした苗が緑色に育ち
秋、収穫の季節には稲穂が風に揺れ、
  金色の波が無限に打ち寄せる…

二〇七〇年冬、
僕も彼女もすっかり年を取り
定年後、彼女の実家の農村に引っ越して
ひっそりと余生を送っています
二人とも髪は真っ白になり
窓の向こうで音もなく田に降り積もる、
雪と同じ色になりました

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