ジョークのように


あの子はジョークのように
大学を中退したと言って帰ってきた
入学式の日の夜に

二年ののち、
あの子はまるでジョークのように
デビューが決まったと電話してきた
高三で解散したはずのロックバンドは
いつの間に再結成されていたのかしら
今、居酒屋にいて
先輩と後輩が祝ってくれているとのこと

お父さん、
人は本当にジョークを言うのでしょうか
一生懸命に生きている人を見て、周りが
笑い者にしているだけではないでしょうか
ミュージシャンになると言った、
彼の言葉にふざけはなかったのです

私はいつしか自分が傷つくのを恐れて
彼の言葉を半ばジョークとして聞き、
周りの人たちにもそう言っていました
自分が産んだ子の言葉も信じられないで
何が母親でしょうか

久しぶりにうちの激辛カレーを
食べたいのだそうです
今から腕によりをかけますね
居酒屋で飲み食いした後、
深夜に実家で激辛カレーだなんて
まるで彼らしいジョークのようです

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